お正月にお寺や神社などで参拝客に振るまわれる「甘酒」は、最近注目される発酵食品のひとつ。
この甘酒、ダイエットをサポートするのにとっても効果的なんです!
今回は甘酒の効果とその活用方法をご紹介します。
目次
甘酒の種類とは?
甘酒は、米麹から作った甘酒(以下、米麹甘酒)、酒粕から作る甘酒(以下、酒粕甘酒)の2種類に分けられます。
違いとしては、アルコール成分を含むか含まないかの違いと甘さ。
米麹甘酒はアルコールを含まず、甘みがあり、一方酒粕甘酒はアルコール成分を含みますが、甘みはありません。
どちらも発酵食品ですが、栄養成分は異なるので詳しくみていきましょう。
甘酒の種類①米麹甘酒
江戸時代より「飲む点滴」として飲まれていた米麹甘酒。
お米のでんぷんを糖化しているので、砂糖が入っていなくても甘いのが特徴です。
ブドウ糖を多く含み、素早くエネルギーとして使われ、オリゴ糖も多く含みます。
カロリーは1杯(約200g)で約160kcalで、食物繊維量は0.8g。
食物繊維は2種類あり、水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維。
この両方の食物繊維を米麹甘酒は含んでいます。
また、ビタミンB1が0.02g、ビタミンB2が0.06g含くまれています。
甘酒の種類②酒粕甘酒
砂糖や甘味料を加えないと甘みがない酒粕甘酒。
だからといって砂糖を多く入れると高カロリーになるので要注意です。
カロリーは、1杯分(酒粕20gに砂糖30gと水180gを加えたもの)で約150kcal。
また、「レジスタントプロテイン」という腸内環境を整える働きをもつ、消化されにくいたんぱく質や食物繊維が酒粕に含まれています。
食物繊維は水に溶けにくい不溶性食物繊維のみを1.0g含み、米麹甘酒よりもやや多いのが特徴です。
甘酒を飲むと痩せる理由とは?
甘酒には食物繊維が含まれていますが、食物繊維は消化酵素で消化されないので、大腸まで届いて腸内環境を整えてくれます。
また、甘酒に含まれているオリゴ糖も食物繊維と同じように難消化性で大腸まで届き、善玉菌を増やしてくれるんです。
食物繊維とオリゴ糖が大腸に届くと、腸内細菌によって発酵して、短鎖脂肪酸が作られます。
脂肪の取り込みや合成を抑制してくれる短鎖脂肪酸が、脂肪の蓄積を防いでくれるんです。
ダイエット効果だけじゃない!甘酒の効果とは
栄養が豊富に含まれている甘酒。
注目すべき効果効能を見ていきましょう。
甘酒の効果①美肌・美白・美髪
酒粕&米麹甘酒ともに血行と代謝を促進させる効果があるビタミンB群が多く含まれています。
特にビタミンB2は肌細胞を活性化させてターンオーバーを促してくれるので、美肌に導いてくれるんです。
酒粕甘酒に含まれるアルブチンや、米麹に含まれるコウジ酸には、メラニン生成を抑える作用があるため、シミをできにくくし美白効果・老化防止にも。
さらに、コウジ酸には、頭皮を若返らせ美しい髪を作る効果があると言われており、甘酒は飲む美容液とも言えますね。
甘酒の効果②腸内環境を整え、便秘解消
オリゴ糖や食物繊維も豊富に含まれている米麹甘酒。
これらは腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあるため、便秘の予防や解消、肌荒れなどのトラブルを改善してくれるんです。
甘酒の効果③疲労回復や脳の活性化
米麹甘酒に多く含まれるブドウ糖は、体内に吸収されやすく、素早くエネルギーに変わるため、疲労回復の効果が。
また脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖は、摂取することで、脳にエネルギーを補給し活性化を促す働きがあります。
甘酒の効果④空腹感を抑えて食べ過ぎ予防
血糖値を上昇させる効果があるブドウ糖は、満腹感を得やすく、食べ過ぎを予防する効果も。
甘酒の効果⑤脂肪燃焼をサポート
甘酒には多くのアミノ酸をはじめ、人体で生成できない9種類の必須アミノ酸が含まれています。
特にアミノ酸の中でもリジンは、脂肪燃焼をサポートする効果が。
さらにロイシンには、筋肉の再生を促し基礎代謝をアップさせる効果があるので、痩せやすい体づくりをサポートしてくれますよ!
妊婦さんや子どもが甘酒を飲んでも大丈夫?
甘酒は「酒」というだけあって、アルコールが入っているから、妊婦さんや子どもは飲めないと思っている方もいると思います。
ですが、甘酒の種類を選べば、妊婦さんも子どもも飲むことができるんです。
米麹甘酒は妊婦さん・子どもにおすすめ!
前述しましたが、酒粕で作られた甘酒は、米麹をアルコールで発酵させるので、微量ながらアルコールが含まれています。
一方、米麹の甘酒なら、麹の発酵作用を利用して作っているので、アルコールは使われていないので、妊婦さんや子どもでも安心して飲むことができます。
要注意!「ノンアルコール」表記の甘酒は買ってはいけない?!
甘酒を買うとき、パッケージに「ノンアルコール」と書いてあれば、大丈夫と思っている方も多いはず。
しかし、商品に含まれるアルコール分が1%未満であればノンアルコールと記載することができるんです。
つまり、ノンアルコールの甘酒だからと安心していても、微量のアルコールが含まれている可能性があるということ。
なので、妊婦さんや子どもが甘酒を買うときは必ず「米麹の甘酒」を買うようにしましょう。
ダイエットサポートとして甘酒を飲むタイミングとは?
ここでは甘酒をダイエットサポートとして取り入れる方法をご紹介します。
甘酒でダイエットサポート①朝ごはんにプラス
発酵食品の1つである甘酒を朝ごはんにプラスすれば、腸内環境の改善に。
米麹甘酒は、麹菌が作りだす酵素を含んでいるため、消化を助ける働きがあります。
一方、酒粕甘酒には、「レジスタントプロテイン」という消化されにくいたんぱく質が含まれており、食物繊維と同様の働きがあるため、腸内環境の改善をサポートしてくれるんです。
甘酒でダイエットサポート②間食のスイーツを甘酒に
ついお菓子に手を伸ばしてしまう…
チョコレートやアイスなどのカロリーが高いお菓子を食べる代わりに、食物繊維やアミノ酸が豊富な甘酒に置き換えましょう。
甘いスイーツ代わりなら、砂糖不使用で甘い米麹甘酒がおすすめです。
200kcal程度が適量とされている間食。
下記をご覧のように、板チョコ1枚もアイスクリームもひとつでカロリーオーバーしてしまいます。
- 米麹甘酒(マグカップ1杯 200g)……約160kcal
- ミルクココア(マグカップ1杯 200g)……約240kcal ※1杯30gに牛乳170gで算出
- 板チョコ(1枚50g)……約280kcal
- アイスクリーム(ひとつ150g)……約270kcal
甘いだけでなく、糖質のエネルギー代謝に必要となるビタミンB群を含む甘酒なら栄養もしっかり摂れるので、めちゃくちゃおすすめ。
私が甘酒を飲んで感じた効果は特に腹持ちの良さ!
満腹感がすごいので、小腹が空いたら飲むといいですよ。
甘酒を飲む時の温度
甘酒を飲む時のベストな品温は60度くらいと言われています。
甘酒に含まれている酵素がも最も作用する温度が60度なんです。
市販の甘酒は加熱処理(火入れ)が行われているので酵素が死滅してしまいますが、手作り甘酒などは酵素が豊富に含まれているので、60度くらいに温めて飲むのがベスト。
甘酒を飲みすぎると太る?!
砂糖を使わなくても甘い米麹甘酒。
健康や美容にいいので、ついたくさん飲みたくなるかもしれませんが、糖質が多いので飲みすぎには注意しましょう。
糖質の過剰摂取はカロリーをとりすぎる原因になります。
また、酒粕甘酒は、そのままでは甘みがないので、砂糖の入れすぎないように。
砂糖が多くなるとカロリーも高くなるので、むしろダイエットの逆効果になります。
1日200mlを目安に飲みましょう。
炊飯器で簡単!甘酒の作り方
今回紹介するのは米麹から作る甘酒。
中でも、火入れしていない生甘酒はノンアルコールなので、妊婦さんや子どもでも飲むことができます。
また、100種類以上の酵素やビタミンB群、食物繊維、オリゴ糖、9つの必須アミノ酸など、日頃不足しがちな栄養素が豊富に含まれているんです。
生甘酒は、1日大さじ4杯までを食後にとるのがおすすめ。
早ければ1週間ほどで便通改善がみられる人も!
市販のものでも甘酒の栄養をとることはできますが、酵素が失活しているため、麹から手づくりするのがベストです。
自宅で手軽に作れて、冷蔵庫で2週間、冷凍で3か月間保存が可能。
しかも紹介する甘酒の作り方は、もち米を使わないので簡単。
濃厚でとろみが強く、“食べる”感覚だから満足感もあり、おやつがわりに楽しく続けられますよ〜!
生甘酒は子どもの腸活にもおすすめです。
甘酒が苦手な場合は、牛乳に混ぜると食べやすくなるので試してみてくださいね(^ ^)
お湯(約60℃)…360~390㎖
(麹によって水分量が異なるためお好みで調整)
※料理用温度計を用意する。
- 手順1麹をほぐす麹を手ですり合わせてよくほぐす。
- 手順2なじませる手順1とお湯を炊飯器に入れて、なじませる。
- 手順3炊飯器で保温する手順2の上にふきんをかぶせ、炊飯器を保温モードにしてフタを少し開けた状態で4~5時間保温する。約60℃を保つようにフタの開け具合を調節する。全体の温度が均一になるように、途中で1~2回、空気を含ませるように全体を混ぜ合わせる。
- 手順4冷蔵庫で保存容器に移し、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存。冷蔵で2週間、冷凍で3か月を目安に使い切る。
※60℃以上になると酵素が失活するため、加熱しすぎに注意。
※生甘酒は酵素が生きているため、容器に満杯に入れるとこぼれてしまう場合があります。冷凍する場合はジッパー付きの保存袋に入れましょう。
甘酒Q&A集
甘酒を飲んで運転しても飲酒運転にならない?
酒粕の甘酒に含まれるアルコール度数は1%未満ですが、多量に飲むとアルコールの血中濃度が高くなる可能性アリ。不安のある方は米麹の甘酒を選びましょう。
神社でふるまわれる甘酒は米麹?酒粕?
神社により異なるので、お酒が弱い運転者、乳幼児、妊婦がいる場合は神社に確認をとりましょう。
甘酒はそのまま飲める?ストレートタイプって?
甘酒には、2~3倍に薄めて飲むものとそのまま飲めるものがあります。ストレートタイプは薄めずそのまま飲める商品です。
夜寝るときに甘酒を飲むといい?!
甘酒に含まれるブドウ糖成分が、疲れた脳をリラックスさせて、睡眠の質を上げてくれる効果が。疲労回復はもちろん、寝つきの悪い方にも甘酒はおすすめですよ〜
まとめ
私はお正月に神社で振舞われる甘酒が好きではありませんでした。
お酒が弱いのもあって、あのツンとくるお酒の匂いとドロドロの液体が苦手だったんです。
でも、違う神社で振舞われた甘酒はとーっても甘くてスルッと飲めて美味しかったんです。
米麹甘酒と酒粕甘酒の違いをこの時、知りましたww
甘酒が苦手な方もいると思いますが、一度米麹甘酒を飲んでみてください。
また可能ならスーパーで色々試しに飲んでみるのがおすすめ。
メーカーによって飲みやすさが全然違うんです。
ぜひお気に入りの甘酒を見つけて、ダイエットだけでなく、美容や健康を手に入れてくださいね。