多くの女性がチャレンジするダイエット。
特に日本人女性は痩せる=美人に直結していると考える人が多いですよね。
ですが、ダイエットによる栄養不足から、今まで高齢者に多かった「骨粗鬆症」になる人が増加しているんです!
今回は骨粗鬆症にならないダイエットのやり方をご紹介します。
目次
そもそもダイエットするべき体重なの?
現在ではメタボリックシンドロームなど、肥満による健康問題は知られていますよね。
一方で「痩せ」も、様々な健康問題を招くだけでなく、骨粗鬆症の原因になることが分かっています。
現代の日本人女性は特に細く美しくなりたいという憧れから、ダイエット志向が高まり、標準体重より少ない細身の女性が増加。
高齢になって発症することが多い骨粗鬆症ですが、無理なダイエットをすると、年齢に関係なく骨粗鬆症リスクを高めるので注意が必要です。
一般的に女性の骨密度は18歳頃にピークを迎えて、40代を過ぎると徐々に減っていきます。
なので、できるだけ10代のうちに骨密度を増やし、成長期以降は、骨密度を保っていくことが大切。
極端なダイエットは、骨密度減少が著しくなる閉経後に向けて蓄えておくべき骨量を減らしてしまうことに…!
まずは、ダイエットを本当にすべきかどうか、適正体重と肥満度を知る目安となるBMIを調べてみてください。
BMIの調べ方や適正体重、理想体重について知りたい方はこちらの記事をチェックしてくださいね(^ ^)
BMIが25以上だと肥満とされ、高血圧、脂質異常症、糖尿病などになる可能性が高くり、BMIが18.5未満の場合は、ダイエットを行うと骨に大きな影響を与えることになります。
無理なダイエットをすると骨が弱くなる理由とは?
痩せすぎや急激な体重減少によって、骨が弱くなる原因は、大きく分けて3つあります。
ダイエットで骨が弱くなる理由①女性ホルモンの減少
1つ目の理由は、急激に痩せることで卵巣の働きが低下し、女性ホルモンの分泌が減少してしまうため。
この女性ホルモンはエストロゲン(卵胞ホルモン)といい、女性の女性らしい体つきをつくると共に、骨にたいしては骨を壊す破骨細胞の働きを抑え、骨をつくるのを促してくれます。
主にエストロゲンは卵巣でつくられていますが、脂肪細胞でもよく似た物質はつくられているため、痩せると体内のエストロゲンの量が減少し、骨密度の低下につながるんです。
ダイエットで骨が弱くなる理由②骨への負荷が少なくなる
2つ目の理由は、体重の減少に伴い、骨への負荷が少なくなるから。
適度な負荷がかかると、骨はその情報をとらえて、かかった負荷に負けまいと、自ら強くする仕組みがあります。
体重が少ないと、この仕組みがうまく働いてくれなくなるんです。
ダイエットで骨が弱くなる理由③栄養不足
食事の栄養バランスがくずれて、骨をつくるために必要な栄養が不足してしまうのが3つ目の理由。
ダイエットのなかには、ある特定の食べ物を摂り続けることをすすめるものがありますよね。
このような極端な食事制限は、健康な体を維持するのに必要なエネルギーや栄養を不足させ、低栄養という状態を引き起こすことに。
さらに低栄養は、カルシウムやビタミンD不足による骨粗鬆症や、鉄分不足による貧血を招きます。
また、最近の研究により、妊婦や若い女性の低栄養が、その子どもの将来の高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めるとの報告がされているんです。
無理なダイエットは、骨粗鬆症の予備軍になるだけでなく、家庭での食習慣を通して自分の次の世代の子どもにまで悪影響を及ぼすことに。
自分の健康のためはもちろん、将来の子どもの健康のためにも、適正な体重を維持するようにしましょう。
骨粗鬆症になるとどうなるの?
カルシウムは、骨や歯に約99%が蓄えられていて、残りの約1%は神経の情報伝達、心臓の働きや筋肉収縮の調節、血液凝固を助けるなど全身でさまざまな働きをしています。
つまり、カルシウム不足の状態が続くと、骨粗鬆症だけでなく全身に影響が及んでしまうことになるんです。
骨粗鬆症になると、転倒による骨折や圧迫骨折のリスクが高まり、寝たきりにつながる恐れが…!
前述したように若くても過度のダイエットで、エネルギーや栄養素の摂取不足から骨量の低下を引き起こしてしまいます。
骨と女性ホルモンの関係とは
エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンは骨の形成を促進してカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあります。
動物実験でも、女性ホルモンを減らしてカルシウム不足にすると、骨がスカスカになって骨折しやすくなっていました。
閉経後の女性に骨粗鬆症が多いのも、急激にエストロゲンの分泌が低下するから。
なので、20~30代の女性ホルモンの分泌が盛んなうちから、1日の推奨量として650mgのカルシウムを摂るようにしましょう。
骨粗鬆症を予防する方法とは?
骨は毎日新しくなっているのをご存知ですか?
骨を形成している骨細胞が新陳代謝を繰り返し、約6ヶ月で新しい骨細胞が作られるといわれています。
その為に常にカルシウムが必要になるのですが、血液中のカルシウムは一定に保たれているので、不足すると骨からカルシウムが溶けだす量が増え、骨がもろくなってしまうんです。
なので、骨を丈夫にするには、材料となるカルシウムを毎日の食事に取り入れることがポイントになってきます。
ここでは骨粗鬆症を予防する方法をご紹介します。
骨粗鬆症を予防する方法①3度の食事をバランスよく
前述しましたが、「◯◯オフ」や「◯◯抜き」などの特定の食材を食べない、もしくは特定の食材しか食べないようなダイエットはNG。
食事はバランスが大事なんです。
骨粗鬆症を予防する方法②カルシウムを摂る
牛乳・乳製品や小魚、緑黄色野菜、大豆・大豆製品などカルシウムを多く含む食品を毎日適量摂取しましょう。
骨粗鬆症を予防する方法③ビタミンDを摂る
カルシウムの吸収を促進するビタミンDも不足しないように摂りましょう。
ビタミンDを多く含む食品には、サケやサンマなどの青背の魚、干し椎茸やしめじなどのきのこ類があります。
骨粗鬆症を予防する方法④カルシウムの吸収を妨げる食材を摂らないようにする
リン、食塩を多く含む食品、カフェインを多く含む食品はカルシウムの吸収を妨げるため、摂りすぎないようにしましょう。
リンを多く含む食品はスナック菓子、インスタント食品等の加工食品。
骨粗鬆症を予防する方法⑤日光浴をする
ビタミンDは紫外線に当たると皮膚で合成されるので、適度な日光浴をしましょう。
日光浴はセロトニンの分泌も増えるためおすすめですよ。
セロトニンでストレスなく痩せる方法が知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
骨粗鬆症を予防する方法⑥アルコールやたばこはほどほどに
アルコールやたばこは、カルシウムの吸収を妨げるので、飲み過ぎ、吸いすぎに注意しましょう。
骨粗鬆症を予防する方法⑦適度な運動を心がける
骨の維持成長には運動も必要。
運動することで骨が刺激を受けて骨細胞が働き、骨の形成を促す指示を伝え、カルシウムが取り込まれて新たな骨細胞が形成されます。
骨は体を支えるために骨に対しての重さ(体重)や運動という負荷を感じて、骨を強くします。
骨を強くするためには、寝る<座る<立つ<歩くの順で良いんです。
運動する時間がなくても、エスカレーターを使わないで階段を使うなど、意識して骨へ刺激を与えましょう。
エネルギーの消費量も増えダイエットにも効果的ですよ〜!
ダイエットだけが原因じゃない!妊娠・出産・授乳で増える骨粗鬆症
高齢者だけでなく、無理なダイエットのせいで若い世代もなる骨粗鬆症。
最近では「妊娠後骨粗鬆症」と呼ばれる、妊娠や授乳に伴う一時的な骨粗鬆症も報告されているんです。
産前産後な長引く腰痛には腰椎圧迫骨折を来たしている可能性が…!
どうして妊娠や授乳で骨粗鬆症になるの?
妊娠・授乳期間中に骨粗鬆症になる原因は、母体から胎児へカルシウムを供給するため、おのずと母体のカルシウムが失われてしまうから。
さらに授乳期は月経がなくなるので、その期間が長いほど骨密度が低下する可能性が高くなります。
妊娠後骨粗鬆症の70%は初産時に発症し、産後6か月間の授乳で骨密度が5%前後低下、産後6カ月以上の無月経は産後骨粗鬆症のリスクがあると言われています。
普通なら授乳が終わって、生理が再開した後は母体の骨密度も徐々に回復していくので心配する必要はありません。
ですが、授乳期間が長くなるほど生理停止期間も長くなり、骨密度低下状態を招きやすくなる可能性が。
妊娠後骨粗鬆症は一時的な状態ですが、その期間に脆弱性骨折した場合は、骨の変形などの後遺症が永く続く可能性があります。
妊娠や授乳中の長引く腰痛などがある場合には、きちんと検査しましょう。
まとめ
綺麗になるためにダイエットしていたのに、骨粗鬆症になったら本末転倒。
骨粗鬆症を予防しながらダイエットする方法は、何も特別なことはありません。
バランスの良い食事をしっかり食べて、運動する、ただそれだけのことなんです。
このダイエットの基本ができていないから、骨粗鬆症になってしまう。
こちらの記事でダイエットの基本をご紹介しているので、今一度振り返ってみてくださいね。
今や骨密度検査は無料でやってる自治体も数多くあります。
気になる方は一度検査してみましょう。